福富小畑遺跡B地点は平成五年に調査された福富小畑遺跡A地点の西側に位置する。都市計画道路行事西泉線建設にともない平成一三年と一四年に二一〇〇平方メートルが調査された。
古墳時代を主体とし、竪穴住居跡、掘立柱建物跡などが検出されているが、中世の遺構としては土坑一四基と溝状遺構一四条が調査されている。
これらの遺構は一二世紀前後から一三世紀後半までと、一五世前半から一七世紀前半までの、大きく二時期に分けられる。一五世紀前半にはいくつかの溝が掘削され、複数の区画を持った生活空間が形成されていたと考えられる。調査区南側に中世の道が走っていた可能性も指摘されている。
出土遺物に、龍泉窯系の青磁、茶臼、五輪塔などがあり、北側の小畑遺跡では湖州鏡片や青白磁が採集されていることから、この地域に中心的集落が形成されていたことが窺える。