16 高来小月堂(たかくこづきどう)遺跡(行橋市大字高来字小月堂ほか)

232 ~ 232 / 898ページ
 弥生時代中・後期・古墳時代後期・鎌倉時代に断続的に営まれた集落遺跡である。古墳時代後期(六世紀代)の集落跡を中心とし、一部に弥生時代と中世の集落遺構が分布する。県営圃場整備事業椿市地区の工事に伴い、平成八年度に発掘調査が行われた。調査主体は行橋市教育委員会。調査面積は五〇〇〇平方メートル。遺跡は、平尾台南東麓丘陵傾斜地に立地する。塔ケ峰(標高三九六メートル)山麓、標高二九~三五メートル前後の調査地点は、天聖寺参道沿い西側部分にあたる。遺跡概要は次のとおり。
弥生時代貯蔵穴二基/弥生土器、石剣片
竪穴住居跡六軒/弥生土器、石庖丁
溝、柱穴/弥生土器、石庖丁、石戈、石斧
古墳時代竪穴住居跡六棟/土師器、須恵器
掘立柱建物跡一一軒/土師器、須恵器
中世溝、土坑、柱穴/土師器 輸入陶磁器

 高来集落には、「池部屋敷」などの屋敷地名が散見され、調査区外にも集落跡は広がると推定される。なお、当遺跡の南西二〇〇メートルの大字入覚と大字高来の境界付近には、「池部の城」(高来城)と通称される丘陵地が存在する。
 
写真17 高来小月堂遺跡全景(南東側上空から)
写真17 高来小月堂遺跡全景(南東側上空から)