入覚集落中心部の十字路から西へ入った、七ツ森から東に延びる舌状台地上、入覚秋光遺跡の西隣に立地する。西側には入覚五社八幡神社が鎮座する。
古墳時代から中世にかけての複合遺跡であり、平成一二年度に、県営ほ場整備事業(入覚地区)の工事に先立ち、行橋市教育委員会が発掘調査を実施した。標高は七八~八〇、八四~八七メートル、Ⅰ区とⅡ区からなり、調査面積は二六三〇平方メートルである。
本遺跡は主として中世前半期から中頃にかけての集落跡である。竪穴住居跡四軒・掘立柱建物跡一棟以上などを検出、土師器(〓・小皿・鍋)・瓦器(〓)・白磁(碗)・青磁(碗)・石鍋片・銅銭などが出土した。
竪穴住居跡の平面形態は方形および楕円形を呈し、床面積は五~九平方メートルで、柱穴は二本程度である。出土遺物は、土師器(小皿・鍋の脚)・白磁(碗)・青磁(碗)・石鍋片などである。
掘立柱建物跡は梁行二間×桁行六間で、床面積は約三〇平方メートルである。