18 入覚秋光(にゅうがくあきみつ)遺跡(行橋市大字入覚字秋光)

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 入覚集落中心部の十字路から西へ入った、七ツ森から東に延びる舌状台地上、入覚上畔遺跡の東隣に立地する。すぐ西側には入覚五社八幡神社が鎮座する。
 中世から近世にかけての複合遺跡であり、平成一二年度に、県営ほ場整備事業(入覚地区)の工事に先立ち、行橋市教育委員会が発掘調査を実施した。標高は六八~七二メートル、Ⅰ区とⅡ区からなり、調査面積は一四六〇平方メートルである。
 中世の遺構としては、方形土坑一三基・不整形土坑一基・L字形溝一条などを検出した。
 方形土坑からは、瓦器(摺鉢)・土師質土器(釜)・陶器片・青磁(碗)などが出土した。
 不整形土坑は鍛冶遺構と考えられ、土師器(坏・小皿)・瓦器・鍛冶滓などが出土。土師器の坏の底部には、孔が穿たれていた。
 L字形溝は長辺が一二・五メートル以上、深さ〇・一五~〇・二メートル程度であり、城館などの堀の一部である可能性がある。

 
写真19 入覚秋光遺跡(上空から)
写真19 入覚秋光遺跡(上空から)