大橋町の商家

473 ~ 473 / 898ページ
 大橋町場には、柏屋・苅田屋・松屋・潮屋・油屋・広屋・富田屋・鍋屋・亀屋・赤土屋・肥後屋などの屋号を持つ商家があり、天保三年(一八三二)六月の酒造家調査の際、大橋町については、屋号を持つものは屋号を記載することが認められている。この年以前の調査においても、大橋村だけは記載方法に「屋号・百姓の差別」があったという。
 大橋村の中で、店舗を構えて屋号を持つ商家が集まった町場は、まさに在郷町として村方とは異質の区域を形成し、これを統括する町庄屋も登場した。しかし藩は、町場の実態は承認しながらも、町場が村から独立していくことには懸念をもち、町庄屋を廃止して、町場が村庄屋の統括下にあることを明確にしたのである。