仲津郡の船

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 また「豊前旧租要略」は海運について、田川郡を除く企救・京都・仲津・築城・上毛の五郡は「港湾多ク、船舶出入ノ便尤善シ」といい、蓑島は「一ノ浦村ヲ為ス島」と記している。嘉永三年(一八五〇)の「仲津郡手鑑(てかがみ)」によると、「長井村」に作船二艘・漁船一艘、「沓尾村」に漁船一九艘と三反帆船一艘がある。そして、「蓑島」には、漁船七二艘のほかに、廻船一艘と柴船一艘があり、さらに同島の「小島」の方には廻船四艘の記載がある。すなわち蓑島には、漁業用の船とは別に、柴積み船、さらに大量の荷物を運ぶ廻船まで存在し、海運業も盛んであったことが窺える。