船の種類

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 次に、万延二年(文久元年=一八六一)の「船株帳」(豊津高等学校小笠原文庫、『福岡県史』三巻下冊)から、行事・沓尾・蓑島の船の種類と、株所持の様子を示したのが表9である。同表によれば、行事村は四船株の内三株が休株で、実際に運行しているのは一四反帆の荷船一艘のみである。蓑島は全一五株の内一二株が稼動しており、船も行事・沓尾よりも大型船である。この船株には漁船は含まれていないものと思われる。さらに慶応三年(一八六七)では表10となり、各村ともに船株数は増加するが、蓑島の増加率は高く、海運の発展が窺える。また右船とは別に、元治元年(一八六四)の調査では、行事村に「平太船」一九艘、蓑島村に同一三艘の所在が記録されており、両村ともに川舟の運行も盛んであったことが分かる。
 
表9 万延2(文久元)年の船株一覧
 行事沓尾蓑島
6反帆船  
小早船7反帆  
荷船14反帆1①1①3 
荷船15反帆 1 5①
荷船16反帆  1 
荷船17反帆  1 
荷船21反帆 1 
荷船24反帆  1 
荷船25反帆  
合計1③2①12③
○内は休株数  出典:『福岡県史』3巻下冊

表10 慶応3年の船株一覧
 行事沓尾蓑島
6反帆船  
7反帆船 1 
12反帆船1①  
14反帆船1①1①4①
15反帆船 1 7②
16反帆船  1 
17反帆船  2 
18反帆船  2 
21反帆船 1 
24反帆船  1 
25反帆船  
合計2④3①18⑤
○内は休株数  出典:『福岡県史』3巻下冊