農業団体の統制機関化と合同

125 ~ 126 / 840ページ
 以上のような生産統制や諸対策を行うに当たって、重要な役割を演じたのが農会と産業組合であった。農会は作付け統制や共同作業、農機具の共同利用の立案実施、あるいは離農統制を担当する機関として位置づけられた。産業組合は米穀、肥料、農機具などの集荷や配給を担当する機関とされるとともに、農家の余剰金を吸収する機関とされた。
 統制機関化した両団体は養蚕業組合などとともに、より効率的に統制機能を果たすために一九四三年に公布された「農業団体法」によって、統合されることになった。こうして各町村の農会と産業組合などは合併され、町村農業会に衣替えされた。この農業会は強制加入であり、政府の権力的統制を支える機関として機能した。