商工会の設立と共進会の開催

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 大正三年、行橋の商工業者によって行橋商工会が設立されている。同会は講習講話会の開催、商工業上の調査研究、実業視察員の派遣、商工業の功労者の表彰、官公署への意見の提出などを事業とし、これら事業を通じて行橋商工業者の発展を図ることがその目的であった。会長には町長の井上貢が就き、事務所も町役場内に置かれていたから、同会は郡や町の主導によって設立された組織であったと考えられる。
 この商工会の設立と同時に同会主催で共進会が開催された。共進会とは品評会(コンテスト)のことであり、こうした共進会を通じて優良製品製造者を顕彰し、地域産業を活性化させようというわけである。翌年、新築された郡庁舎開庁式とともに、同商工会主催の共進会が京都郡の全域を対象として開催された。出品点数は三〇〇〇点以上に達したという。行橋からも多くの製品が出品されたが、そのうち行橋関係の一等入賞者を挙げると表36のようであった(以上「門司新報」による)。
 
写真12 第1回京都郡生産品共進会(大正初期)
写真12 第1回京都郡生産品共進会(大正初期)

表36 第一回京都郡共進会一等入選者
生産品氏名住所
自作米中村□三郎今川村
小作米地主 毛利公今川村
玄米地主 段谷福十仲津村
谷垣次郎行橋町
国永守一今元村
大豆宮村作治稗田村
矢沢一郎延永村
醤油玉井美智穂行橋町
織物奥村平治今川村
染物有先一二行橋町
洋服嶋生啓太郎行橋町
美術工芸品玉江庫八郎行橋町
菓子大村茂行橋町
角火鉢林三郎行橋町
摺蝦磯村保平蓑島村
米田清太郎行橋町
刺繍金田テツ行橋町
出典:「門司新報」大正4年4月6日