従業員と設備

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 設立当時の従業員数は全体で二一名、役員を除くと一五名であった。この数は行橋電灯が発展してもそれほど大きな変動はなく、大正七年末の総数は役員を含め二八名となっている。
 
写真17 行橋電灯(株)の役員・職員(明治44年)
写真17 行橋電灯(株)の役員・職員(明治44年)

 主任技術者は明治四三年一一月一日付けで岡積重輔が採用された。岡積は前年まで毛利家経営の田川郡金田炭鉱の電気主任技術者であったから、おそらく毛利家と関係の深い社長柏木が招いたものであろう。
 設備は表51のとおりである。これらはすべて旧小倉電灯から譲り受けたものであることは前に記した。表51の六〇KW発電機についても、「門司新報」(大正元年八月二三日)は、
 
行橋電灯株式会社は従来百廿基(キロ)の発電機にて電力を供給し来たりしも、近来町内の需用増加、町外線の延長等にて発電機増設の必要に迫り、曩(さき)に旧小倉電灯会社の六十基の発電機を買収して目下据付工事中なるが、今月中には竣工の筈にて、其上は豊富なる需用に対し遺憾なきを見るに至るべし……

 
と、小倉電灯のものであったと報じている。
 
表51 初期の設備(大正元年)
発電機単相交流120KW1個2200V133ヘルツ米ウエスチングハウス社製
 同上60KW1個2000V100ヘルツ芝浦製作所製
原動機 208馬力1個  米アイドエンドソン社製
  100馬力1個  芝浦製作所製
出典:『大正元年電気事業要覧』