行橋製氷の設立

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 わが国でアンモニアを使用して工業的に製氷事業を開始したのは、東京京橋の東京製氷会社が最初であったといわれる。同社の設立は明治一六年で、製氷を開始したのは一七年一月であった。三二年には東京機械製氷会社が設立されているが、製氷会社についての研究は少ないようである。福岡県では明治三三年に資本金三万五〇〇〇円の関門製氷株式会社が門司本川町に設立された。おそらく福岡県最初の製氷工業会社であろう。
 行橋製氷冷蔵株式会社(以下、行橋製氷)は、本社を行橋町大橋五四一番地の二に置き、大正一四年四月一〇日に設立された。資本金は五万円で、二五〇〇株に分かち、一株二〇円とされた。しかし、すぐに一四年一二月の第二回株主総会で一万円増資することが決定されて、一五年六月に六万円となった。