九州鉄道の小倉-行事間工事は豊州鉄道を強く意識したものであっただけに、両社間においては、行橋駅を共同停車場とし、共同切符制を採用することとした。計画の通り、豊州鉄道の行橋-伊田間が開通すると、二八年八月一五日、九州鉄道は行事仮停車場を引き払って行橋駅まで延長し、共同駅とした。同時に豊州鉄道との旅客・貨物の連絡運輸の取り扱いを開始した。
行橋共同停車場利用に伴い、九州鉄道は小倉-行橋間の発着時刻表を改訂した。小倉-行橋間を片道一時間五分で一日四往復した。上り始発は行橋駅発五時五〇分、最終は一八時二五分であった。下りは小倉駅発七時二〇分と二一時であった。行橋から小倉へ行く旅客や通勤客が多かったことがうかがえる。