京都郡では、明治四四年五月二二日から二五日までの四日間、衛生思想向上のため行橋尋常小学校で「衛生参考品展覧会」を開催した。
「門司新報」の記事を読むと、大略次のとおりである。
参考品は福岡大学及び県警察部などに出品を依頼。説明委員として、京都郡医師会の安田雲斉、安広伴三、赤田壽三郎、浦野栄治、永末潜藏、片山正相、菅原魯一、定村正則、薬剤師の阪井石二の諸氏が日々交代で来場者に説明し、補助として産婆組合から杉野ツル、楠クラ、藤本セキも加った。
行橋町は、この展覧会のため賛助会を組織し、一般観覧者に配る景品として、薬種商より薬一〇〇〇点が寄贈された。行橋商工会は大縁門と休憩喫茶店を建設し、売店も開店した。
来館者は多数詰め掛け、整理上、人数を数えながら順次入場するという大盛況だった(五月二二日と二五日の新聞記事から)。