有永霊城は、明治二一年(一八八八)二月一三日、築上郡下城井村安武(現築城町)に生まれた。私立仏教中学(豊津村、西村法剣創立)に学び、浄福寺(大分県中津市)の行橋説教所主任僧侶となる。大正六年行橋町に浄福寺系万福寺を建立し、大正一五年には独立系水平社・自治正義団の創立に参画した。昭和四年行橋町町会議員に当選し、以後九年間町議を務めた。有永霊城の人望は厚く、日農九同豊前連合会が急速に組織を拡大したのも、彼の政治的リーダーシップによるところが大きい(有永克己「有永霊城師のこと」)。
有永霊城