差別糺弾闘争に伴う刑事弾圧

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 自治正義団同人三名と田川郡水平社同人一名は、昭和二年四月二八、二九日、稗田村で二件の差別糺弾を展開した。一件目は、差別発言者に「謝罪文の交付・謝罪宣伝ビラの配布及新聞による謝罪広告」の掲載を迫った。二件目は被差別部落と一般地区の隣接行政区合併問題に端を発した差別事件で、部落側の「改善」を主張して合併を拒否した行政区長の「差別的言語」を問題視し、「謝罪宣伝ビラ千枚を配布し、福岡日日新聞に一ケ月間謝罪広告をなし、且謝罪文を交付せしむるよう要求」した。これらの要求をつきつけた四人は、暴力行為等処罰法違反で起訴(懲役二カ月を求刑)され、同年六月六日、四人は行橋区裁判所で拘留二〇日の有罪判決を受けた(渡部徹・秋定嘉和編『部落問題・水平運動資料集成』3)。