国民学校令に基づく指導内容で特筆すべきは、従来、分化されていた学科課程を総合化し、国民科と体錬科を創設したことである。
国民科とは修身・国語・国史・地理を総称したもので、国民精神や国体・皇国に関する学習と使命感の育成を、また体錬科とは体操や武道を通して剛毅たる心身や実践力の育成を目指したものである。
このように小学校段階から「皇国の道」という大原則で、極めて国家主義的かつ統制的教育が行われた。
具体的には、一年生から集団登下校、掃除学習、国旗掲揚、宮城遥拝、奉安殿敬礼などの導入である。また上学年になれば団体訓練、軍事教練なども行われ、学校行事はすべて集団訓練化されていったのである。