あとがき

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 行橋市史編纂の議が起り、相談をうけたのは平成一二年のことであった。折から行橋市を含む一市五町からなる広域合併の話が取沙汰されているときで、平成一七年三月をめざして関係協議が続けられていた。そこで平成一六年一〇月には最後の市制施行五〇周年行事が予定されていた。したがってそれまでに市史の刊行を実現させたいという市当局の要望もあわせて伝えられてきた。そこで原始から現代にまで及ぶ各時代の執筆者を選定し、各時代別部会を組織する作業をすすめて、四〇名余に達する執筆者を各部会に所属させ、部会長の先導のもとに定期的に研究連絡会議をすすめられることとなったが、そのための市史編纂室の方々のご苦労も大変なものであった。

 かくして三巻構成の通史編と、各時代の資料編からなる計画が具体化し、調査・研究から執筆にむけての実施も軌道に乗せられて動き出したのであった。

 通史編三巻の構成は、上巻(自然・地理、原始・古代)、中巻(中世、近世、建築、美術)、下巻(近代、現代、民俗、年表)の内容で発足した。執筆者諸氏には本務のかたわら、市域や近隣地域さらには遠隔地にまで出張いただいて資料調査を重ね、執筆の充実を期してもらった。一方、各部会長からなる市史編纂委員会も年一回開催して、進行情報の交換や三巻に共通する問題などについての協議がはかられた。

 以上のような経緯のなかで、市史編纂室では平成一六年一〇月一〇日に挙行される市制施行五〇周年記念式典当日までに発刊すべく、『ふるさと写真集』、『ふるさと子ども読本』の制作がすすめられた。前者は明治から平成に至る近・現代の移りゆく行橋を「目で見る市史」であり、市民からの写真提供の方法もとられた。また後者は原始から現代に至る市史のジュニア版である。ともにそれぞれ編集委員会主導のもとにすすめられた。

 通史編については、五〇周年記念式典までに三巻とも発刊することは諸般の事情でむずかしく、まず上巻を発刊することとなり、上巻執筆者諸氏にはことのほかご協力をいただいて前年の一二月末にはほぼ原稿提出を完了することができ、式典直前に刊行できたのであった。

 以上三冊の刊行を市制施行五〇周年記念式典までにそろえて、まずは最初の関門を乗りこえたのであるが、市史編纂業務はこれからさらに大きな山を越えなければならなかった。平成一七年度中に通史編中・下巻、各時代の資料編を一斉に発刊させなければならなかったからである。通史編三巻はB5判の各冊九百頁に及ぶような大冊であるから、編集業務も大変なものとなった。さいわい既刊の上記書についても好評を耳にしている。市史の刊行は二一世紀初頭の行橋市にとっても過去をまとめ、さらに前進していくうえになによりの拠りどころとなるであろう。市民のみならず、広く本書の読者諸氏にも将来にむけての新しい感性を呼び起こしてくれることになれば、この事業にかかわった執筆者一同の喜びもこれに過ぎるものはないであろう。本事業の終了にあたり、これまでの経緯を振りかえって完成の辞としたい。

  平成一八年三月

行橋市史編纂委員長
小田富士雄