川合玉堂
「夕月」(ゆうづき) 夕月の昇る水辺の風景が、墨の濃淡によって表情豊に描き出された、川合玉堂(1873-1957)の晩年の作品です。夕暮れの光を鏡のように反射する静かな水面が、濃い墨で表された暗い茂みや斜めに生い茂る葦との対比によって際立ちます。
川合玉堂は愛知県に生まれました。望月玉泉、次いで四条円山派の幸野楳嶺に師事しまし、明治28年の内国勧業博覧会をきっかけに橋本雅邦に入門。円山派と狩野派を融合させ、流派にとらわれない独自の日本画を追求しました。人の暮らしと自然が調和した日本の山村風景を描いた画家としても知られています。
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