「木像大日如来(金剛界)坐像」は大日堂の本尊で、厨子と呼ばれる両扉の容器に安置されています。作者は不明ですが、藤原時代(美術史上の時代区分。9世紀末~12世紀後半)の作と推定されます。
像は寄木造り[注1]で、漆を塗り金箔が施されています(漆箔)。像の高さは157.5㎝、膝部分の幅(膝張)は124㎝あります。俗に後光といわれる光背[注2]と台座も木造で、漆箔が施されています。台座は蓮華座(蓮の花の形)です。
全体に巧みな彫刻技術により姿形が整っており、製作年代が古い像にもかかわらず、光背・台座などがそろって保存されている貴重なものです。
[注1] 寄木造(よせぎづくり) …… 木彫りで、多くの木を寄せ集めて造る造仏法。藤原時代初期から行われている。
[注2] 光背(こうはい) …… 仏像の背後にある光明を表すもの。