浅間社を頂きに祀る「富士塚」[注1]は各地に見られます。この富士塚は高さ8尺(約2.4m『新編武蔵風土記稿』)とありますが、その由来などは詳らかではありません。
浅間社の右側に鎮座するのが「惣十稲荷」(大明神)です。旧上川原村の指田家に伝わる『永代万覚帳』によると、天保6年(1835)に村民が肥後国(熊本県)の惣十稲荷を勧請し、奉斎したことに始まるといわれます。霊験あらかたで御利益があるといわれ、当時は毎月例祭を行い、多くの人々の信仰を集めたようです。現社殿は昭和58年(1983)の再建です。
[注1] 富士塚 …… 富士山信仰により人工的に築いた小高い山、塚。本当の富士山に登れない人もお参りができた。拝島公園にもある。