田中の庚申塔と馬頭尊

  • 【所在地】東京都昭島市田中町1-27先
旧上川原村・田中村・大神村エリア 近世の記憶

下記の写真の「庚申塔」[注1]は天明元年(1781)に惣村中によって造立されました。一面六臂の青面金剛童子を陽刻しており、二手は合掌、二手で日・月を支え、二手で弓・矢を持っています。足下には三猿が刻まれています。

左側の「馬頭尊」[注2]は馬頭観世音の文字が陰刻されており、天保12年(1841)に田中村の人々によって造立されました。通行安全の守護神として信仰されました。

二つは通称「ぼたもち街道」[注3]と呼ばれる東西方向の古道脇にありましたが、市道の拡幅に伴い5メートルほど東の現在地に移されました。

[注1] 庚申塔 …… 室町時代から建てられ、江戸時代に盛んになった健康長寿を願う石造遺物。塔型、墓石型、自然石などがあり、像と文字が刻まれている。市内最古は観音寺境内の元禄7年(1694)の像塔。

[注2] 馬頭尊 …… 正しくは馬頭観世音菩薩。観音様と、その頭上に馬を戴くのが本来であるが、文字塔の場合もある。牛馬、特に馬の供養と結びついて、村はずれの分岐点や坂道など交通の難所に建てられることが多い。

[注3] ぼたもち街道 …… 嫁いだ娘が牡丹餅(おはぎ)を持って実家に帰る道、あるいは往来した馬の糞が牡丹餅に似ているから、などの俗説がある。

  • 市役所南の一角に並ぶ庚申塔と馬頭尊

    市役所南の一角に並ぶ庚申塔と馬頭尊