旧中神村の鎮守。創建年代は明らかではありませんが、延文5年(1360)、紀伊国(和歌山県)の熊野本宮の分霊を勧請、奉祀したのが起源として伝えられています。以前は熊野大権現または熊野大神と称していましたが、明治29年(1896)に現社号に改称しています。
指定文化財の本殿は、切妻妻入で覆屋に入り目にすることができません。正面に向拝が付けられた見世棚造の形式を持ち、神社建築における中世から江戸期に至る古い形式をよく伝えています
拝殿は、嘉永5年(1852)に豪商中野久次郎らが再建した入母屋造です。建築時は茅葺で、縁が後方にもある四方廻縁であったと推察できます。
この神社境内は崖線によって二段に分けられています。鳥居は下段にあり、上段に向かう斜度のきつい石段は「男坂」、東側のゆるやかな坂は「女坂」と呼ばれています。上段にある手水鉢や、上段と下段両方にある石灯篭も社殿再建時に設置されています。
※平成31年(2019年)1月17日、「中神・熊野神社本殿及び拝殿」は、市文化財(有形文化財・建造物)に指定されました。