中神の獅子舞は悪霊退散・五穀豊穣を祈願して熊野神社祭礼に奉納されます。
三百数十年の伝統があるとされますが、実証する史料は伝わっていません。ただ、天保14年(1843)の「獅子舞祭礼執行願」という書き付けがあり、江戸時代後期にはこの祭礼が行われていたようです。
獅子舞は一人立ち獅子三頭(大頭、中頭、雌獅子)と、花笠をかぶった簓摺の少女6名を中心に構成されています。
演目は「藤狂い」「帯狂い」「花懸り」「剣懸り」「竿懸り」「鞠懸り」「女獅子隠し」「跳び違い」「摺り違い」「三拍子」「笹懸り」「太刀懸り」があり、12通りすべてを演じるのは都内でも唯一と言われます。また、獅子舞歌は12通りの狂いに共通して、入れ端・眠り・本歌・終りの構成によって歌われています。