今日の昭島駅北口の発展は、昭和飛行機の存在抜きに語ることはできません。「創設の地」とする碑は、雑木林や畑であった一帯を切り開いて昭和12年(1937)、日中戦争開戦の年に創設された昭和飛行機工業株式会社「本館」の跡地に設置されています。
戦前の昭和飛行機は海軍系の軍需工場として、青梅線沿線最大の規模を誇りました。昭島市域をはじめ、青梅線や八高線を利用して多くの従業員が通勤し、数多くの寮も各所にありました。
最寄り駅の昭島駅は、昭和飛行機のための「昭和前(しょうわまえ)駅」として開設されました(仮駅を経て昭和13年12月25日開業。昭島駅への改称は昭和34年10月)。
一方、終戦直後(昭和20年9月)からはアメリカ空軍「昭和基地」としての歴史もあり、本館に星条旗が掲げられました。基地が全面返還されたのは、昭和44年(1969)8月のことです。