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その他の注記
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『署長日記』は昭和35年3月、伊藤永之介没後半年余りを経て、新潮社から刊行された最後の長編小説である。初出は昭和33年4~6月の「河北新報」「山陽新聞」に連載された新聞小説であり、全部で14の短編からなっている。映画化され、人気を博した『警察日記』、『駐在所日記』の系譜に連なる作品と言える。原稿は『署長日記』に収められている「五つの金時計」(一)及び(二)で、細部にわたって加筆や訂正が見られる。また連載開始前に掲載されたと思われる「作者の言葉」原稿もあり、『警察日記』が刑事部屋をとおして見た農村の悲喜こもごもな情景であったのに対し、今回は「風変わりな正義派の警察署長」の眼をとおして、町村合併時期の田舎の町を描こうとしたこと等が綴られている。
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