その他の注記
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「ともしび」は1959(昭和34)年4月から放送されたNHKラジオドラマの原作で、秋田県農村部出身の少年少女が中学卒業後に集団就職で上京し、厳しい条件の中で住み込み労働を強いられる実態を、少年少女の会話や職場訪問をする中学校教員等の目を通して描いたものである。原稿は9回から12回までの分である。それぞれの回の冒頭には回数と題名、さらには永之介の署名が記されている。永之介は「ともしび」執筆に当たって、1959(昭和34)年2月秋田を訪れ、中央児童相談所で集団就職のために上京する中卒者の実情を取材している。中学校教員である村木健三が、職業安定所の職員佐山みねと一緒に教え子の住み込み先に赴いて仕事の様子を尋ねたり、弱気なっている教え子を懸命に励ましたりする様子や、集団就職の少年たちの待遇改善に取り組む商店会の副会長と少年とのやりとり等、ラジオドラマらしいテンポの良い会話で展開していく。
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