解題・説明
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『諸士系譜』は文政6年(1823)を分限とし、天保4年(1833)に編集を完了したもので、班席が独礼以上の藩士1085家を集録した系譜である。各家を「いろは」順によって分け、1巻(1冊)に1~5家を収めている。成立当時は全360巻であったが、現在は会津若松市立会津図書館に342冊(1023家分)がある。記載の内容は各家によって多少の違いはあるが、はじめに本姓、本国、定紋、替紋、幕紋などについて文字で記し、母氏、妻室、生誕、養子、初見、班席、秩禄、職掌、恩賞、罪科、嘉言、致仕、卒去、享年、法号、葬所などを年月順に箇条書にしている。称呼(通称など)や実名(諱)、さらには生年月日や没年月日についても記載し、これが女性や孩児にも及んでいる。この『系譜』の編纂は、すでに寛政2年(1790)頃から始められていたが、途中に『新編会津風土記』と『家世実紀』の編纂事業が入ったため、大幅に遅れて天保4年(1833)に360巻の浄書が完了したのである。一柳新三郎が中心となり、佐藤彦四郎や御式方勤の人々によって編纂されたのであるが、事業に着手してより実に43年が経っていた。【引用資料:『会津若松市史6 会津藩政の改革』会津若松市役所企画政策部秘書広聴課市史編さんグループ編、会津若松市発行、2002年】
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