解題・説明
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本図は、江戸時代初期の天守閣や櫓などの建造物、石垣、堀、土塁など重要な軍事情報を詳細に記した二軸一対の掛軸である。城の北側を東西に走る通り、本一之丁を境として南側(南図)には会津城(若松城)、北側(北図)には侍屋敷、町屋、寺などが描かれている。福島県立博物館所蔵の「陸奥国(むつのくに)会津城絵図」の写しと推測されるが、制作者・制作年共に不明である。「陸奥国会津城絵図」は江戸幕府の命を受けて、正保3年(1647)8月、会津藩(当時の藩主は保科正之)が提出したとされ、提出された絵図は江戸城内にあった幕府の文庫である紅葉山文庫に納められていたと伝えられる。【参考文献:『福島県立博物館資料百選』 福島県立博物館/企画・編集、福島県立博物館友の会、2012年『日本の名城 城絵図を読む』(別冊歴史読本)新人物往来社、1998年『仙台・東北・北海道の城下町 城下町古地図散歩8』平凡社、1998年】
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