解題・説明
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厚紙の表紙と裏表紙には、夕暮れの会津盆地と東山温泉をイメージした絵が描かれ、表紙の裏面には、東山温泉の全景と東山温泉の名所である雨降滝、傘岩、尼ヶ淵、伏見ヶ滝の写真が掲載されている。 折り込み式の鳥瞰図には東山温泉、若松市街、飯盛山等が淡い色彩で描かれており、主な官公庁、神社仏閣、温泉旅館、学校等の名称が赤枠で表示されている。図の右下には富士山、左には佐渡ケ島や大阪・京都・神戸の山々も描かれている。 鳥瞰図の裏面は「会津東山温泉」と「若松市と附近」に分かれ、名所等を紹介している。裏表紙の右上と折り込み式の鳥瞰図の右下に「常光」のサインがある。 作者の金子常光は、「大正の広重」と呼ばれた鳥瞰図絵師・吉田初三郎の門人であったが、大正11年(1922)に小山吉三が東京で日本名所図絵社を設立すると、初三郎のもとを離れ、同社で数多くの鳥瞰図を制作した。
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