解題・説明
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会津若松市大町にある田中稲荷神社の写真である。 社殿は過去2回焼失し、明治32年(1899)火災に強い土蔵造りに建て替えられており、全国的にも珍しい神社である。 慶長の頃(1596~1614)までは境内に槻(つきのき)の大木があり、この木の下では秋ごとに村々から稲を持ち寄り、社の前で売買されたことから稲座(いなくら、いねぐら)といわれた。周囲は田に囲まれていたため「田中稲座」といわれ、いつしか「田中稲荷神社」と呼ばれるようになった。創建年代は不明だが、「田中社由縁記」によると長久3年(1042)の建立という。会津の初市(十日市)の神様で、文禄2年(1593)市神を祀ったのが初めとされる。
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