解題・説明
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春彼岸に行われる三匹獅子舞を会津では彼岸獅子という。会津地方で30ヵ所以上あったが戊辰戦争、第二次世界大戦後減少し、現在は天寧獅子舞(会津若松市東山町)、小松獅子舞(会津若松市北会津町)、西勝獅子舞(会津美里町)など数ヵ所しか残っていない。 写真は大正7年(1918)に会津若松市内の旧森川薬局で撮影された彼岸獅子である。子どもから大人まで沢山の人々が集まっている。 森川薬局は万治年間(1658~1660)に創業した、会津藩御用達の薬種問屋で、祖先は蒲生氏郷の家臣であった。8代当主森川善兵衛は、茶道石州流恰渓派(せきしゅうりゅういけいは)の家元で、慶応年間に会津藩茶頭を務めた。明治5年(1872)鶴ヶ城本丸にあった茶室「麟閣」を自宅へ移築して保全に努め、平成2年(1990)市制90周年を記念して元の場所へ移築している。
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