解題・説明
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現在の喜多方市熱塩加納町にある熱塩温泉街で撮影された写真である。左に「よ志たや」、中央に「倉田市佐久」の看板が見える。 熱塩温泉は、永和元年(1375)に源翁(げんのう)和尚が示現寺(じげんじ)を再興した時に発見されたとする伝説が残る。泉質は強食塩水、湯温は68度の高温で「熱塩」という地名の由来になったとされる。明治35年(1902)に発行された『熱塩霊泉案内』によると、白雀館(よしたや)、会陽館(ますや)、五峯館(倉田)、松翠館(さつまや)、桃青館(えびや)、嘉納館(叶や)、翠清館(ささや)の7軒の温泉旅館があった。写真中央に写る「倉田市佐久」は、倉田屋の主人の名である。 また、江戸末期から明治中期に活躍した社会事業家・瓜生岩子の母の実家は熱塩温泉・山形屋旅館で、示現寺には岩子の墓と銅像がある。
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