解題・説明
|
筑前国の学者伊藤常足(1774-1858)の門人である宅子は、同じ門下の友人桑原久子の誘いを受けて、総勢7名で伊勢詣の旅に出ました。久子は旅から三年後の天保十五年(1844)に『二荒詣日記』を書き上げました。宅子は旅から十年後の嘉永四年(1851)に、『東路日記』の初稿本を書き上げ、さらに七年後に決定稿を完成させたようです。 当館が所蔵するのは決定稿の写本です。なお、初稿本の写本は福岡女子大学にあります。 この『東路日記』は、作家の田辺聖子さんによって『姥ざかり花の旅笠』として小説化されています。
参考文献:前田淑.近世女人の旅日記集.葦書房, 2001.(解題と翻刻あり) 中間市歴史民俗資料館.東路日記「小田宅子展」.2004.(特別展図録)
|