解題・説明
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巻頭の序文によれば、安政元年(1854)幕府目付堀織部正利煕、勘定吟味役村垣範正らの蝦夷、樺太視察に同行した会津藩士一瀬紀一郎(雑賀重村)が描いた蝦夷、樺太風景を、大正8年(1919)函館図書館長、岡田健蔵の依頼により白井金鳩が模写した絵巻である。福山にはじまり上磯、箱館、駒ヶ岳、室蘭、石狩、留萌、苫前、宗谷など各地の風景を、時には巡察の様子をまじえながら二巻に描き出している。巻頭の序文は所蔵者である平山威信。威信の父平山省斎(通称謙二郎)は、安政元年、堀織部正利煕らにしたがって蝦夷地見聞に同行していた。巻末の昭和4年の跋文は福井茂三郎による。
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