産業別就業人口の構成比をみると、第3次産業のその比率は札幌に次いで高く、昭和50年には70.8%を占め、完全な消費都市型を示している。その他の経済的機能のシェアは2位から5位の間にあり、全体的にみると旭川よりも低い位置にあるとみられる。
函館の経済は、しばしば「5パーセント経済」と呼ばれるが、函館の各種都市機能の全道に対する比率をみると、ほぼこの呼称が妥当していることが裏付けられる。すなわち、その比率は平均値で5.5%となっており、昭和初期の20ないし30%の経済的位置は完全に失われたことがわかる。
しかし、渡島・檜山両地方の中では函館のほかに都市発達もみられないから、両地方の経済・文化の中枢的機能は依然として保持されている。また、交通の中心としての地位は高く、青函連絡船の発着点であるほかに、民間フェリーの発着点であり、函館本線、江差線の起点として道内における主要な交通の中心である。地方空港としては東京便、札幌便の定期航空路が開設されており、東京へは1時間15分、札幌へは30分の位置にあり、東京・札幌両都市地域との関係は近年更に強まりつつある。
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