社会的・経済的位置

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 今日の函館の道内における社会的・経済的位置を主要諸都市と比較してみると、次のような結果が得られる。まず人口・世帯数は札幌、旭川に次いで第3の位置にあるが、昭和40年以降隣接する旧亀田市への人口移動が激しくなり、ついに人口は減少に転じた。しかし、亀田とは行政単位こそ異なっているが、都市景観上からは互いに連結した市街地を形成していることからも一体化した都市と見なすことができたし、昭和48年12月1日、両市が合併したあとも、順位こそ第3位と変らないがほぼ旭川に比肩する規模とみてよい。
 産業別就業人口の構成比をみると、第3次産業のその比率は札幌に次いで高く、昭和50年には70.8%を占め、完全な消費都市型を示している。その他の経済的機能のシェアは2位から5位の間にあり、全体的にみると旭川よりも低い位置にあるとみられる。
 函館の経済は、しばしば「5パーセント経済」と呼ばれるが、函館の各種都市機能の全道に対する比率をみると、ほぼこの呼称が妥当していることが裏付けられる。すなわち、その比率は平均値で5.5%となっており、昭和初期の20ないし30%の経済的位置は完全に失われたことがわかる。
 しかし、渡島・檜山両地方の中では函館のほかに都市発達もみられないから、両地方の経済・文化の中枢的機能は依然として保持されている。また、交通の中心としての地位は高く、青函連絡船の発着点であるほかに、民間フェリーの発着点であり、函館本線、江差線の起点として道内における主要な交通の中心である。地方空港としては東京便、札幌便の定期航空路が開設されており、東京へは1時間15分、札幌へは30分の位置にあり、東京・札幌両都市地域との関係は近年更に強まりつつある。

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