黒岩安山岩は函館市銭亀沢の黒岩岬付近に見出され、そのほか黒岩岬から志海苔町にかけての海岸、汐泊川下流右岸、黒岩岬付近から北西方向に、トラピスチヌ修道院方面にかけて、また瀬戸川流域にも分布する。そのほか局部的に温川上流にも小岩脈が見出され、規則正しい柱状節理や板状節理を成している。この安山岩の迸入形態は大岩体を成す所は岩床であるが、小岩体は岩脈を成している。岩質は一般に濃緑色~黒色で、ち密、かつ新鮮である。しかし一部では緑泥石化作用、珪化作用、炭酸塩化作用などの変質作用を受け、プロピライトに似た岩相を示す所もある。斑晶は斜長石と普通輝石である。