草野

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 上湯川、旭岡、見晴、豊原、亀尾、雁皮平などの丘陵台地の草原植生は当地域の特異な植物景観の一つであったが、戦後の農耕地拡大、宅地造成、道路建設、ゴルフ場建設などにより、現在はほとんど往昔の姿をとどめず、構成要素もわずかに路傍、農耕地の縁辺部、山麓の林端地などに片鱗(りん)を残すのみである。その主なるものは、
 
スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、シバ、オニシバ、コブナグサ、ミゾイチゴツナギ、ムラサキススキ、トダシバ、ホソバノコウガイゼキショウ、カワラスゲ、ヤマカモジグサ、カタバミ、タチツボスミレ、エゾノタチツボスミレ、ミミナグサ、オオバナノミミナグサ、コハコベ、ウシハコベ、ナズナ、イヌガラシ、ウツボグサ、ヒキオコシ、カキドウシ、オドリコソウ、フウロソウ、エゾフウロ、オオバコ、オオノアザミ、コウゾリナ、ハチジョウナ、エゾヨモギ、オトコヨモギ、ヤマハハコ、ノコンギク、アキノキリンソウ、カセンソウ、トウゲブキ

 
などである。林端地には
 
カタクリ、エゾカンゾウ、ノハナショウブ、オニシモツケ、ヒメイズイ、チゴユリ、ホウチャクソウ、ワニグチソウ、アマニュウ、エゾニュウ、ハナウド、ハンゴンソウ、エゾゴマナ、シラヤマギク、エゾノヨロイグサ、オミナエシ、オトコエシ、エゾタンポポ

 
などが出現する。