気圧の平均値は普通用いられることは少ないが、表でわかるように1年を通じて見て7月に最も低く、11月に最も高い値を示している。
函館における観測開始以来現在までの間に海面気圧の最も低かったのは次の通りで、いずれも最近である。
1位 | 962.3ミリバール | 昭和30年2月20日 |
2位 | 962.4ミリバール | 昭和45年1月31日 |
3位 | 968.5ミリバール | 昭和9年3月21日(函館大火) |
平均的には気圧の低いのは夏季であるが、上のような低い値を示すのは台風や非常に発達した低気圧の接近の時に見られる現象で、当地方ではその全部が冬季にでているということは、夏の台風よりも冬の旋風の時の方が影響が大きいことを物語っている。
気圧が低くなると海面が膨れ上がる現象が生ずるが、これは1ミリバールについて1センチメートルと見ればよいから、右の場合は標準の気圧(1013ミリバール)の時に比べて海面が約50センチメートル上昇するので、これと満潮時が重なれば函館の駅前付近の低地などは浸水に見舞われることがある。