脆弱な海軍力に悩んでいた新政府軍は、局外中立の撤廃布告により、アメリカ合衆国から最新鋭艦ストンウォール・ジャクソン(甲鉄)が引き渡され、海軍の核が出来た。この軍艦は、もともと徳川幕府が代金40万両の内前金30万両を支払ってアメリカから購入した軍艦で、明治元年4月に横浜に来ていたが、局外中立ということで幕府側にも新政府側にも引き渡されずアメリカ合衆国公使の支配下にあった軍艦であった。
翌年2月25日、増田虎之助を海軍参謀に任じて体制を整えた海軍は、3月9日、甲鉄、陽春、春日、丁卯、飛龍等8艦で品川沖を出帆し、21日までに全艦宮古湾に入った。その後、次に述べる宮古湾の海戦を経て、26日には全艦青森に入った。青森に集結した新政府軍の概要を図示すると図1-2のようになる。
図1-2 新政府軍組織図