村役人の業務の中に奉行所へ提出する重要な書類、村差出明細帳があった。左記のような『半紙帳面村差出明細帳 安政二年 上ミ山村』という資料が残っている。
この小冊子は現在でいえば村勢要覧の作成のための項目を指示したものである。
例えば次のような項目によって、その詳細な調査が行われていたことが分り、これによって奉行所では村の実態を把握するとともに、行政の資料としたものであろう。
田
反別欤
一 畑 三廉ニ可レ認
坪数欤
屋敷
一 山林 字限反別
領主林欤 百姓持の訳
一 秣場 何ヶ所
役永冥加 永の有無
一 箱館え道法
(中略)
美の(濃)紙
一 村限絵図 一村限一枚宛
田畑屋敷色分ケ可レ致、山林、空地、寺社境内等ハ其旨可レ認、方角、沼地、隣村名、海川等可レ認
但、入会候村方ニて一村一枚ニ難レ認候ハバ弐三ケ村申合一枚ニ認候も不レ苦候。尤書面の通り相違無レ之旨文段相認、村役人連印いたし可二差出一候
安政二年卯正月