次に明治四年の畑地面積と明治十三年の面積を比較して見ると、かつての江戸時代の開墾に比べ、急速に畑地が増加していることが知られる。この原因となったものは何であろうか。
　亀田地域においては、従来より函館市街に近いためと、凶作に強いため主要作物とは言えないがそ菜類が作られることが多かった。その後明治時代になり、開拓使による畑作物の栽培奨励、栽培種類の増加、人口増によるそ菜類の需要増加、農業技術の改善及び副業としての運搬業、薪炭業の不振などにより、畑作は前時代に比ベ著しく増加する傾向が見られ、中でも開拓使による農業奨励策の影響が大きかったようである。

畑の面積