掟六か条などによる教化

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 箱館裁判所が布告した「掟六か条」は次のとおりである。
 
  一 人倫の道を尽して禁制の邪教に迷わざること。
  二 鰥寡弧独(カンカコドク)そのほか身体に傷害ある者は保護し、又役人不行届の事あれば罷免することもあるので、はばかることなく申し出るべきこと。
  三 一般に男は二十、女は十七までに結婚し、子をたいせつに保養し、難渋な者は保護の道を講ずるので訴え出るベきこと。
  四 殺人火付け窃盗などの大罪は厳重に処置し、その他は軽重にしたがい夫役を申しつけること。
  五 農は国の第一なので、商工のうえに立つべきこと。
  六 御上の沙汰でも悪しきことは改めるので申し出るべきこと。
 
 以上は社会生活における倫理綱要ともいうべきものであり、また、開拓使において農民の心得などを制定して、その教化に力を入れていた。