権威による教化

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 函館奉行の諭告あるいは掟六か条、桔梗村五人組制度など、命令的な教化を実施していた時代においては、基本的な生活習慣及び社会規範などは、すべて官の権威によって方向づけられていた。従って社会的教育は各人の意志によるというよりは、その権威に追従することが正しく、反することは悪であったといえる。善行を奨励し賞揚することは、現在においても過去においても変りがないが、当時は官の褒賞は大きな権威に裏づけられていたので、教化指導に効果を挙げていたものと考えられる。