隣組と社会教育

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 昭和十五年十一月庁令第百十一号「町内会部落会規則」によって、市町村住民は本令により町内会部落会の組織を命じられた。
 
 ア 隣保団結の精神に基づき市町村内住民を組織統合し、万民翼賛の本旨に則り地方共同の任務を遂行せしむること。
 イ 国民の道徳的錬成と精神的団結を図るの基礎組織たらしむること。
 ウ 国策を汎(ひろ)く国民に透徹せしめ国政万般の円滑なる運用に資せしむること。
 エ 国民経済生活の地域的統制単位として、統制経済の運用と国民生活の安定上必要なる機能を発揮せしむること。
 
 この精神を体して、近隣同志で隣保班いわゆる隣組が設置され、部落会ができ、これらの会を村長が統轄、毎月一回以上常会を開くようにきめた。この常会の指導のために設けられたのが社会教育委員である。
 明治維新前後における五人組制度以上の強力な組織と指導によって、戦時下の隣組は動いていたのであり、社会教育も国家統制による軍事一色によって活動していた。