管理米供出

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 渡島支庁の統計によれば昭和十八年四月末の管内各町村の管理米供出状況は次のとおりである。

[管理米供出状況]

 管内全体の供出割合が八五パーセントと目標をかなり下回っていたので、同年五月二十日、渡島支庁において、「在米高調査打合会」が開催された。
 この会議には道庁、渡島支庁、渡島郡農会、各役場、各町村の農会などから関係者が出席したが、亀田村からは、役場書記補の大和田金作、亀田村農会の小山三郎技手が出席した。
 まず北海道庁食糧課の境藤三から在米高調査要綱の説明があったが、その中から、緊迫した当時の米情勢を拾うと次のとおりである。
 
昭和十七年米穀年度 二八〇万石   昭和十八年米穀年度  二七五万石
管理米(配給米)  二六二万九千石 道外補給米(雑穀を含む)五六万一千石
確保割当米穀    二〇六万八千石 供出米        一八六万八千石
不足米        二〇万石
 
 二〇万石の穴は雑穀をもって補うが、雑穀は政府が買上げて払下げるということであった。
 この調査の真のねらいは二〇万石の不足米を補うために自己保有米の内より供出させようとしたところにあった。この供出がない場合は道民主食配給に重大な支障を生ずるからなんとしても供出してもらわなければならなかった。そこで各町村ごとに、農家が所有する精米、玄米、籾(もみ)、屑(くず)米の数量を調査し、供出させることになった。
 この会議のあと、早速役場から農会役職員、産業組合職員、各農事実行組合長、各食糧管理事務取扱員、統計調査員に呼びかけ、一軒ずつ在米調査が行われた。調査は各農事実行組合ごとに二名以上の調査員によって行われた。
 なお、虚偽の申告をした者、調査を拒否した者は法律で罰せられるということになっていたが、亀田村の在米記録を整理してみると、次のとおりである。
 
・配給を受け、自家保有米なし 八戸    ・一石未満 四〇戸
・一石以上二石未満 七七戸    ・二石以上三石未満 九四戸
・三石以上四石未満 七六戸    ・四石以上五石未満 四〇戸
・五石以上六石未満 二〇戸    ・六石以上七石未満  六戸
・七石以上一五石未満 八戸
 
 米を供出する者は村長あてに「左記ノ通リ管理米供出スベキ事ヲ誓約候也」と供出数量を明記して誓約した。その誓約書には、農事実行組合長と食糧管理事務取扱員の署名捺印が必要であった。記録によれば三〇戸余りで、合計一六九俵の米が供出されることになった。