議長の祝辞

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 また、町議会議長藤谷久三郎の祝辞は次のとおりである。
 
 町民の皆さんおめでとうございます。
我が郷土亀田町の自治制施行六十周年記念の佳き日とともに、町制施行記念式典を併せ挙行するに際し、祝辞を兼ねご挨拶申し上げます。
 ご承知のとおり自治団体の発展はその住民及び関係機関の融合、親和、協力一致にまつことは申し上げるまでもないのであります。亀田町の開拓は遠く明治維新前に発足しておりますが、自治体としての整備体制を整えたのは明治三十五年即ち今から六十年前であります。
 この六十年間によく自治体としての長足の進歩発展をなし、道南はおろか北海道に於る優秀町の一つとして数え上げられるに至りましたことは、上級機関のご懇篤なるご指導、ご援助と先輩各位がよく親和協調をはかった町政のためにご尽力せられた立派な自治の精神と、この間にあって住民の指導に道をあやまらず、公明正大に町政を行って来ました歴代理事者の誠実、真摯な努力によるものでありまして、今日の亀田町隆盛を心から喜ぶとともに、先人各位の誠意とご努力に心から感謝し深甚なる敬意を表する次第であります。
 然して亀田町の現況は、東は函館市街を一望におさめる亀田牧場の高台より庄司山まで連なる広大な農地と、史跡五稜郭公園横より字富岡、赤川通、赤川、石川、桔梗を結ぶ肥沃な耕地があり、又函館市に隣接している字本町、富岡、中道、本通地帯は住宅適地と交通利便に恵まれた住宅地として戸数二、八〇〇戸、人口一二、五〇〇余人の当町の中心市街地を形成するに至り、且つ商店、医療機関などの急激な増加とともに、商工業も躍進し、また昭和は一級国道五号線を中心に各種大企業の工場進出が目立ち、農村の様相を一変しつつあって当町の産業経済が飛躍的な進展を見せ、明るい将来が約束され、住民多年にわたる懸案の町制が本年一月一日より施行されたのであります。父祖幾代にわたり築き上げてきた亀田村の尊い歴史は私達の手によって受けつがれ、近代化した町づくりを皆さんと一体になって平和なそして明るく住みよい新郷土亀田町建設に微力を捧げたいと存じます。
 この度の自治制施行六十周年及び町制施行記念式典を契機として私達町議会議員は一層の決意のもと、今後にこそ責任の重大なるもののあるを自覚し、各般にわたる町行政に対し過去に於ける諸事業の実績を通じ町理事者と隔意のない提携により、地方自治の理想に向かって進まなければならないと存ずるのであります。
 最後にのぞみまして自治振興並びに町制施行の功労者として晴れの表彰を授けられた各位の栄誉をたたえ、私のお祝いの言葉といたします。