昭和四十二年十月中旬より下旬にわたって、亀田町産業課、企画課並びに亀田町商工会が協同で、町内商店街購買実情診断調査を実施した。これは、町人口が急激増加しているにもかかわらず、商店の発展はみられず、売上げが延びていない現況にかんがみ、その不振原因を調査分析検討し、商店街振興の未来像を考察し、また亀田町都市建設計画立案の基礎資料ともする目的で行ったもので、調査結果から興味ある参考資料が得られた。
亀田町商店街購買実情調査
一 調査対象
ア 買物調査 ○消費需要現況をみる ○消費意識をみる
イ 実体調査 ○人口推移 ○交通量 ○個別経営状況
○商店街構成状況 ○商店の団体活動状況
二 調査方法(アンケート式)
町内小学校三、四年生の全家庭に調査用紙を配布し、父母からの回答を得る。父母からの回答約一、一〇〇名あり、アパート居住者からの回答約三〇〇名あった。
三 回答結果から
ア 一人年間買物額全国平均一〇万円から推算して町内の購買力は三六億六、〇〇〇万円とみられるので、この半分一五億八、〇〇〇万円が函館市に流出されていることになる。
イ どのような商品が函館市内から買われているかをみると、
○呉服寝具洋品下着類 三億七、〇〇〇万円
○家具・電気器具類 一億三、〇〇〇万円
○くつ・はきもの類 一億三、〇〇〇万円
○書籍・文房具類 一億二、〇〇〇万円
○飲食費・娯楽消費 一億円
これらの商品の多くは主として函館駅前地区で購買し消費している。
ウ 町内字別に見た函館市内購買地区傾向は、
○中道・本通地区の人々は主に、
五稜郭電停付近商店で買物 七〇%
函館駅前方面商店で買物 三〇%
○神山・赤川地区の人々は主に、函館駅前方面での買物(朝市がえり)
六五%
○赤川通・桔梗・昭和・石川地区の人々は函館へ流出している
四五%―四九%
○富岡・本町・港地区の人々は主に函館へ流出している
三八%―四二%
エ 今後の傾向、見とおし、意見としては、
○今までどおりで変らない。 六六%
○函館市内に出るのが多くなる 二四%
○函館市内に出るのが減るだろう 一〇%
四 亀田町昭和四十一年度たばこ消費税額推定
○四十一年度消費税推定額約二、六九五万円に対し、消費税約一、三六七万円となっていて、約一、三二八万円の減額となり、この分を函館市内で購入している。
○四十一年度町内たばこ消費量一人平均が九四〇本で、全国平均約一八五〇本に比較して九一三本少なくなっている。
○亀田町では町財源増のためにも他市町村での購入をやめ、自町内購入を望んでいる。