この日式場福祉センター講堂に市内外招待者約五〇〇名が参集の上、午前十一時に開会した。
一 父祖、先人の労苦と偉業に対し全員心から感謝の黙とうをささげる。
二 吉田市長式辞(要旨抜粋)
「明治三十五年四月、二級町村制を施行し、自治体亀田となってから七〇年、また昨年内外の大きな期待と祝福のうちに市制を施行してから一周年を迎えました。ここに当市の歴史に極めて深い意義をもつ記念式を挙行いたしますことは、市民各位と共に喜びにたえないところであります。一一八九年に和人が渡来、更に時代をさかのぼれば四千年も六千年も以前に原住民が居住していた縄文時代から明治、大正、昭和と各代の先人達の辛苦と偉業を想起して、敬意と感謝の念を一層深くするものであります。生生発展のかげに積み重ねてこられた数多くの人々の苦労を思い、現実を卒直に見つめ、その中から未来に向ってどうすべきかを、じっくり考えるところに本日の記念式の意義もあろうかと存じます。
こうした父祖先人のパイオニア精神を受継いだ私共は、この亀田をよりよきものに育てて次の世代に引継ぐためにも、今こそ心を新たにし、輝かしい未来の建設に邁進しようではありませんか。」と力強い口調で式辞を述べた。
三 知事祝辞(渡島支庁長代読要旨抜粋)
「亀田市の今日の隆盛は、先人の開拓に専念された図り知れないご苦労と努力により築かれたことはもちろんですが、それを受継がれた関係各位をはじめ、市民の皆様方の深い理解と協力の賜であり、心から敬意を表しますとともに、本日の式典に当り、表彰の栄に浴された皆様方に対し、お祝い申し上げます。
本市が今日の記念すべき日を契機として、近隣市町村との連けいを一層密にして、真に住みよい豊かな近代都市として地方自治の進展に寄与されますよう心から期待してやみません。」
このあと引続き祝宴に移り、軽やかにかなでるマリンバ、古風豊かな琴、三味線を聴きながらなごやかに歓談するうちに行事の一切を終了した。
なお式典当日、亀田市勢伸展に寄与された栄をもって表彰状、感謝状を受けたものは次のとおりである。
元首長および助役
元村長佐々木善松 ほか六名
多年公職者
市議会議長藤谷久三郎 ほか五八名
町 会 一八町会
永年消防団員
消防団長安川和一 ほか四名
永年市学校教育者
亀田小学校長小山政行 ほか五名
永年市職員
収入役工藤嘉兵衛 ほか三〇名