基本方針と根幹事業

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 合併に伴う建設計画については、両市において慎重に検討を続けた。四月には亀田市振興構想両市案対比表ができ、市道、都市計画街路、土地区画整理、公園緑地、河川、農業、商工業、住宅、上水道、下水道、清掃、社会福祉、教育文化、消防、交通安全、医療保健、その他の項に分け、事業期間、事業費、財源内訳(国道支出金、地方債、その他一般)にわたって詳細に計画したものを比較検討した。函館市案の事業費一一〇億余に対し、亀田市案は三〇六億余であった。
 その後第二次案の比較表によると、函館市案は二一七億余と増加し、亀田市案は二七五億余となり、歩み寄りがみられた。
 最終的には二九〇億三八八万四、〇〇〇円で合意し、函館市亀田市合併に伴う建設計画書として発表することになった。
 建設計画の基本方針と根幹となるべき事業は次のとおりである。
 
1 建設の基本方針
 亀田市、函館市は、南北海道における行政経済、文化の中心地として、都市機能の集積が大きく、拠点都市圏を形成しているが、亀田市域は函館市からの人口移動および企業などの立地が顕著で、生活圏、経済圏は、すでに一体化している現況にある。
 従って、中核都市としての機能を整備充実するとともに、両市域の均衡ある発展と、住民福祉の向上を目ざすため、このたび、函館市に亀田市が編入合併することの協議が整い、三〇万都市として、新たな飛躍を期することになった。
 合併後における亀田市域建設の基本方向は、新たな都市区域のなかで、総合的な視野から土地の効率的な利用を進めて、生活および生産の機能を分担するとともに、(ア)生活環境施設の整備、(イ)福祉と教育文化の向上、(ウ)産業基盤の整備充実を建設計画の主柱として、住みよい豊かな都市づくりを指向するものである。
 
2 建設の根幹となるべき事業
 ア 生活環境施設整備事業
 ○ 市道、都市計画道路の整備については、幹線道路および市街地内道路を重点として、その改良舗装を進め、交通の同滑化を図ると共に、市民生活に密着した生活道路および交通安全施設の整備を促進する。
 ○ 上下水道の整備については、増大する上水道用水の需要に対応して、水源の確保を図るとともに、配水管の敷設を大幅に拡充し、更に下水道については、下水道管渠などの整備を計画的に推進するとともに、終末処理場による汚水の衛生処理を図る。
 ○ 住宅対策については、住宅団地の造成事業を推進するとともに、道営および市営の中高層の住宅を重点的に建設する。
 ○ 公園緑地を整備充実し、緑の多い健康的な都市づくりを目ざす。
 ○ 河川改修事業を促進するとともに、消防体制、水利施設などを充実して、市民生活の安全確保を図る。
 イ 社会福祉施設整備事業
 ○ 児童福祉施設については、児童の健全育成の場として保育所、児童館などの整備を推進する。
 ○ 老人福祉については、老人の生きがい対策を主眼として、老人いこいの家を建設するとともに、勤労者のための福祉施設の整備を図る。
 ウ 教育文化施設整備事業
 ○ 義務教育施設については、学童の増加に即応した学校の適正配置をはかるため、校舎の新増築、統合などを推進するとともに、学校プールの建設など施設の整備充実を図る。また、幼児教育を充実するため、幼稚園の新設を図る。
 ○ 社会教育施設については、公民館、図書館などの整備を進めるとともに、市民の健康と体力の増進をはかるため、スポーツセンターなどを建設する。また、サイベ沢遺跡の整備および文化財保護のため施設の整備を推進する。
 エ 産業基盤整備事業
 ○ 農業については、都市農業の特性を生かし、高生産性の農業経営を確立するため、促成栽培施設などの整備を促進するとともに、かんがい排水、農道など土地基盤の整備を積極的に推進する。また、畜産については、食肉の需要増などに対処し、家畜の多頭飼育など経営規模の拡大を図るため、畜産団地の造成を推進する。
 ○ 地場産業の近代化を主体として、軽工業団地の造成を推進し、公害のない企業の適正配置を図るとともに、商店街の近代化、各種融資制度の強化などを推進する。
 
3 建設事業費(別表)