合併の実施

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 九月十四日、函館市と銭亀沢村の両議会で臨時議会が開かれ、議案「亀田郡銭亀沢村を廃し函館市に編入することについて」が賛成多数で可決された。しかし、銭亀沢村議会では蛯子綱太郎、伊藤吉治郎、杉下勝明の三議員が同議案に反対した。「建設計画」の内容が銭亀沢の漁村としての位置付けがなされていないこと、合併について説明が充分でないこと、自治体が大きくなると住民の意志を政治に反映することが難しくなることなどをその理由としている。函館市でも井上一議員が日本共産党を代表して合併の理由、その意義が明確でないとして反対している。
 両議会で合併案が可決されると、早速北海道に合併申請書が提出され、北海道議会総務常任委員会に付託された。十月十二日道議会が開催され、総務委員長は「両市村は地形的にも、また社会的にも不離一体の関係にあり、かつ、合併によって自治行政の効率的な運営と住民福祉の向上が期待されますので適当と認め原案可決」と報告、その報告のとおり可決された。その後自治省における手続を経て昭和四十一年十一月二十二日自治省告示第一七四号として告示され、十一月三十日に村役場廃庁式が銭亀沢中学校でおこなわれて、十二月一日、銭亀沢村は函館市に編入された。
 昭和四十二年度から「市村建設計画」は実施に移され、村役場から函館市銭亀沢支所となった庁舎は、同四十三年一月に新築落成し、上水道も同四十五年度までに敷設された。また、合併以前から修築が進められていた志海苔漁港の整備は継続して実施され、さらに昭和四十四年度実施された石崎漁港整備、昭和五十九年度着手の銭亀漁港整備もそれぞれ継続して実施されている。